経済産業省 半導体・デバイス戦略局長 荻野洋平氏。 東京/キム・ソヨン特派員
「これは日本の半導体産業にとって『最大かつ最後のチャンス』だと思います。」 日本の半導体産業政策を担当する経済産業省半導体・デバイス戦略室長の荻野洋平氏は3日、東京都千代田区の慶山城事務所でハンギョレと会談した。そして、日本が直面している現実を躊躇なく説明した。 「半導体技術は構造転換期にあるため、日本にとって絶好の機会です」と彼は言いました。 さらに、「今回推進する日本の半導体戦略は、単に企業の競争力を強化することではなく、『経済安全保障』の観点から日本での半導体生産を可能にすることです。 そのためにどのような環境を作っていくかが最も重要です」
―経済産業省は2021年6月に「デジタル・半導体産業戦略」を発表し、半導体産業の再生に向けて積極的に動いています。
「2020年頃から、エネルギーや食料など、世界の経済安全保障をめぐる議論が活発になり始めました。 半導体は、日本に十分に供給されなければならない「経済的安全保障」の観点からも非常に重要であると考えられていました。 この戦略は、単に日本の半導体企業の競争力を強化するためのものではありません。 日本で半導体を供給(生産)できるよう、どのように協力し、どのような環境を作るかが最も重要だと思います」
「日本は、米国(IBM)、台湾(TSMC)、欧州(IMEC)などの半導体大国との協力を強化しています。
「日本だけで半導体のサプライチェーン(サプライチェーン)を構築することはできません。 どの国もそうですが、他国とどのように協力していくかが非常に重要になります。 誰もが長所と短所を持っているので、それらを完成させる必要があります。 まだ具体的な計画はありませんが、韓国との協力も可能であり、同じ価値観を共有する同盟国や友人同士が力を合わせるしかありません。 サプライチェーンをつなぐための情報共有や人材育成に加えて、日韓でできる具体的なプロジェクトがあれば、協力の十分な目標になり得る」と語った。
「半導体をめぐる米中対立は、両国に大きく依存している韓国と日本にとって大きな課題だ。
「米中の分断が危機であることは事実です。 一方で、この機会にサプライチェーンの強化という課題も生まれました。 日本国内で半導体を生産できる環境を整える取り組みです。 危機でもありチャンスでもあるこの状況に向き合わなければならない」と語った。
―2024 年 12 月から、熊本県に建設中の TSMC 台湾工場で、12 ~ 28 ナノメートルの半導体(日本では「ロジック」と呼ばれる)が生産される予定です。 TSMC 技術と比較すると、そのパフォーマンスは低いです。
「現在、日本で最も必要とされている半導体は12~28nmです。 日本にはスマートフォン関連やハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の大手企業はありません。 カメラ(ソニー)や車(トヨタ)に必要な半導体です。 日本では40ナノが最先端の自社製半導体でしたが、TSMでは12ナノまで供給可能でした。
―ラピダスは、日本のコングロマリット8社によって製造され、最先端(2ナノ)半導体の市場に挑戦しています。 ファウンドリー(半導体受託製造)の分野では、最近TSMCやサムスン電子からインテルまで競争が激しい。
「Rapidus が競争力を持つためには、大胆な投資、優れた労働力、安定した販売パートナーが必要です。 簡単ではないと思いますが、政府は以前とは違うアプローチをとろうとしています。 いわゆる「挑戦」があるところに大胆に応募して気分転換を図ります。 確かに半導体業界は1980年代から弱体化していますが、40年以上の歴史で蓄積された知識と技術が強みです。 半導体材料、装置、部品で世界トップクラスの企業に支えられていることも大きなセールスポイントです。 人材確保の面では、1950年代から1960年代の半導体分野で残されたものを最大限に活用し、新たな人材の育成を図っています。」
―日本政府が半導体戦略で目指す最終目標とは?
「一番の目標は、日本全国に半導体を生産できる拠点を作ることです。 このように、半導体産業は自然に成長できると私は信じています。 現在、日本の半導体売上高は 4 兆円であり、10 年後には 2 倍以上になると予想されています。 日本の半導体業界にとって、これは「最大にして最後のチャンス」です。 半導体技術は「ムーアの法則」(半導体集積回路の性能は2年で2倍になる)通りに進んでおらず、別の方法を模索しなければならない構造転換期に入っていると思います。 これは、ロジックの分野で遅れをとっている日本にとって大きなチャンスです。 最後は人手の問題です。 40年前、日本が半導体大国だった時代に半導体業界で活躍した優秀な専門家が引退しようとしている。 今使わないと、蓄積された履歴が消えてしまいます。」 キム・ソヨン東京特派員/dandy@hani.co.kr
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