日本、中国への半導体輸出規制開始…中国の対抗策に注目

先端半導体製造装置の輸出には政府の許可が必要
米国の「中国包囲網」に追随…「中国の反応は避けられない」
守りの中国…「先端半導体生産は短期から中期的には絶望的」
中国へのガリウムとゲルマニウムの輸出に対する日本の規制の悪影響に関する懸念

▲ 中国の半導体装置輸入に占める各国のシェア(上グラフ)は中国の輸出規制の対象となっている。 上図(単位%。2022年現在) 左から日本、アメリカ、韓国、シンガポール、台湾、オランダ、その他。 /下記グラフ左から日本:2023年7月23日現在、最先端の半導体洗浄・検査装置等米国では2022年10月以降、最先端の半導体や設計ソフトなどオランダ 半導体向けハイテク表示装置 2023年9月時点 出典 日本経済新聞

日本経済新聞は、日本政府が中国のハイテク半導体製造装置の輸出規制を強化する計画が23日に発効したと報じた。 米国主導の中国半導体包囲網への対抗策として、中国が報復措置に踏み切るかが焦点となる。

経済産業省は、改正貿易関連法施行令に基づき、半導体ディスプレイや洗浄装置など23品目と韓国、米国、台湾など42の国と地域への輸出に個別の許可手続きが必要になると発表した。 一方、個別のライセンス手続きは事実上不要でした。 42の国・地域については手続きが簡素化されます。

23品目には、半導体回路の微細加工に必要な極端紫外線(EUV)関連の製造装置や、不要な薄膜を除去して半導体の構造パターンを作り出す「エッチング」装置などが含まれる。 このような装置は、ループ線幅が10~14nm(ナノメートル、10億分の1メートル)以下の最先端の半導体の製造に不可欠です。

日本政府は今回の措置について「特定の国を対象にしたものではなく、軍事目的での再利用を防ぐため」と説明しているが、実質的には米国主導の半導体規制に沿ったものだったと推定される。 実際、米国は昨年10月、軍事利用の懸念から、スーパーコンピューターや人工知能(AI)に使われる最先端半導体や一部の製造装置の中国輸出に対する規制を強化した。 さらに、日本とオランダも中国への半導体装置の輸出規制への参加を求められている。 日本に続きオランダも9月1日から、現地の半導体製造装置メーカーが一部の製造装置を出荷する際に政府からの輸出許可を取得することを義務付ける措置を講じた。

日本から中国への半導体製造装置の輸出が停止されれば、中国での最先端半導体の生産も困難になる。 この措置について、日本国際問題研究所研究員で輸出管理の専門家、高山善也氏は「中国の最先端半導体製造は、少なくとも短期から中期的にはほぼ絶望的だ」と診断した。 実際、中国は半導体製造装置産業において日本からの輸入に大きく依存している。 国際貿易センターによると、昨年の中国の半導体製造装置輸入総額の約30%を日本が占めた。

日経新聞は、輸出規制強化による日本企業への影響は限定的だと分析した。 日本企業が規制強化に備えてハイテク機器の輸出を制限しており、中国では古い半導体機器の需要が旺盛だからだ。 ハイテク製品の輸出が難しいにもかかわらず、中国の半導体装置事業は依然として活況を呈しているとの見方だ。 日経新聞は「米国の規制強化を受けて、中国は半導体製造施設を最先端の半導体から古い半導体に切り替えた」と報じた。

問題は中国の対抗策だ。 日経新聞は輸出規制強化により中国の反発は避けられないと診断した。 5月の米半導体企業マイクロンへの制裁を受け、中国は来月から半導体製造用に事実上独占しているレアメタル、ガリウムとゲルマニウムの輸出を規制すると発表した。 日本は窒化ガリウムを使った半導体に強みを持っており、中国の鉱物規制で苦しむのは必至だ。 中国がさらなる報復に応じれば、半導体のサプライチェーンを巡る不確実性が高まる恐れがある。

Toyama Jiro

「テレビオタク。情熱的な料理のスペシャリスト。旅行の専門家。ウェブの第一人者。筋金入りのゾンビ好き。謝罪のない音楽狂信者。」